グランクリュ畑の最高峰、ロマネ・コンティ。

ブルゴーニュに来れば誰もがその地を訪れるけれど、実際に飲んだことのある方は相当限られるわけで、またそこに流れていった歴史をご存知の方も少ないはず…

だから折角訪れても、「あ、これがかの有名な「超高級ワインの畑」なのね。」で終わってしまうと思うんです。

実際、ロマネ・コンティの畑は高い塀で囲われているわけでもなく、仰々しい看板があるわけでもありません。畑が誕生したときの、そのままの姿で存在します。

この間フランス3で、ロマネ・コンティについてのテレビ番組が放映されました。

ロマネ・コンティの畑の歴史、DRCのワイン造り(畑仕事、収穫、醸造、熟成、瓶詰めまで)が紹介され、ワインを販売する人、実際に飲んでいる人の感想がとても分かりやすく纏められています。

周知のことですがこのドメーヌは観光客を一切受け入れず、インポーターさん(株式会社ファインズ)からの直接の紹介がないと訪問できません。

だから、普段は見られない醸造所やセラー、そこで働く職人たちの様子が見られるだけでも、とても貴重で、面白いと思います。

畑仕事を説明する時の景色となって映っているのは、ロマネ・コンティ、ロマネ・サン・ヴィヴァン、エシェゾー、グラン・エシェゾーと、有名畑ばかりです。一度ブルゴーニュにいらした方なら、映像を見ながらご自分の旅を懐かしく思い出すことができるでしょう。



http://bourgogne.france3.fr/evenement/documentaires/index-fr.php?documentaire=76c1587c8b7d7c2c18b1dc8b3c1ff140


ビデオがサイトで見られる期間が限られているのでもうすぐ終わってしまうかもしれません。


将来的に訳されて、日本でも放映されるといいなって思います。




ロマネ=コンティってどんなワインなの?

幻のワインですから当然、多くの人が持つ疑問です。

オベール・ド・ヴィレーヌ氏は番組の中である経験談を語っています。

「以前、ベルリン・フィルハーモニーの音楽家お二人をドメーヌにお迎えしたことがありました。

その時、1956年のロマネ=コンティを開けました。

その音楽家はワインを飲みながら、私にこんな感想を言いました。

…このワインはある有名ピアニストの、人生終盤になってからのコンサートを思い起こさせます。年老いて手の関節に痛みを感じながらの演奏で、時には音を間違えたこともありましたが、それはやはりピュアで本物の彼の音楽でした…。

確かに、1956年は古いヴィンテージで、その年は天候が難しかったため、その日開けたロマネ・コンティには傷ついたニュアンスがありました。でも、それでもやはりワインから感じられたのは、ピュアなロマネ・コンティのテロワール、そのものだったのです。」

「ロマネ・コンティのワインには力強さがあります。でもそれは静かに震える力強さなのです。とても細かい粒のような…、そう、絹のような触感があります。」

「バラの花びらをムシャムシャと食べて、そのままロマネ・コンティを飲み続けたら、バラのニュアンスがいい感じで続いていくだろう」

と表現した人もいます。

女性的で、奥深く、知的なワイン。それを味わうには、飲む側にもやはり準備が出来ていないといけないのだと思います。

2008年は3151本、普通〜多めの年でも5〜6千本代という少ない生産量。収穫の様子を実際に見ると、ブドウの取り扱いが本当に丁寧なのに驚かされます。

80年代から国際化が進むにつれて需要が急激に増え、市場で値段が吊り上がってしまったのはとても残念です。ド・ヴィレーヌ氏のお話にも出てきたクラシック音楽のように、ワインもやはり芸術と捉えるにふさわしいと思うことが確かにあります。





2011年のロマネ・コンティの収穫。9月6日でした。


10時の休憩。白ワインをお互いに注ぎあっています。たまたま居合わせた私たちにもくれました。DRCのワインではありませんでしたが(笑)


収録の様子です。たぶんこの時の収録がここで紹介している番組になったんだと思います。




道を挟んで同じ斜面に連なるロマネ・サン・ヴィヴァンの畑。そしてヴォーヌ=ロマネ村。テレビに映るDRCの建物は写真の教会のふもとの方にあります。



◆次回のブログではロマネ・コンティの歴史についてご紹介します。




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ブルゴーニュ・レザンドール 

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