ドメーヌ訪問記 パカレ、グロ、ジャイエ編

麗らかな春日和。オプショナルコースでブルゴーニュのドメーヌ3軒ご案内しました。

ご希望の訪問先は、

ドメーヌ・パカレ

ドメーヌ・グロ・フレール・エ・スール

ドメーヌ・ジル・ジャイエ

です。

ボーヌの「ジャルダン・ドゥ・ロイス」でお客様をお迎えし、コート・ド・ボーヌへ出発!(このシャンブルドット(B&B)オススメです。後日ブログでご紹介します。)

ムルソーやピュリニーの丘へ上り、春の風を全身に感じながらモンラッシェの畑をお散歩。ここ一ヶ月ずっと暖かい良い天気が続いているので、シャルドネの若葉が4〜5枚ずつ顔を出しています。

さて、一軒目はパカレさんです。

3月末にも日本に出張していたというパカレさん。東京から大阪へ移動中、車の中で余震を感じたそうです。

「ホテルでも余震を感じたよ。酔っ払ってたわけじゃないんだ。

寝ちゃえば分からないけどね。」とニッコリ。

「全て自分で決断してワインを造ってみたい。」

という思いを胸に2000年に独立してパカレの名の元ワインを造り始めたときは、ジュヴレ=シャンベルタン、ポマールを中心にいくつかのアペラシオン手がけていただけでした。今日では、シャブリからボジョレーまで、沢山のアペラシオンを少しずつ造っています。

「全部同じやり方で造っているのに、それぞれ個性の違うワインが出来る。土着の酵母が働いてくれるのさ。生きているものを扱うのは難しいけど、面白いんだ。」

と語りながら、ボーヌのプルミエクリュから、ポマール、ジュヴレ、ラヴォーサンジャック、グランクリュのシャルムシャンベルタンまで試飲は続きました。


2010年の樽出しでしたが、しばらくしたらこれらの樽を転がして隣のカーヴに移動させるんだそうです。転がすことで下に沈んだ澱の中にあるタンパクとワインに含まれるタンニンが融合し、自然にコラージュ(清澄)ができるのだそうです。未来の移動先のカーブにはまだ2009年が静かに寝かされていました。

別れ間際、奥様がいらして一緒にパチリ。



ご夫婦で一緒に昼食に出掛けるのでしょう。

因みにパカレさんはカーヴ・マドレーヌが大好きです。(リーゾナブル価格で、シンプルな料理。素材が生きていて美味しいボーヌのビストロ)

さて、私たちはお昼を軽く済ませたかったので、町の中心のカルノ広場にある「Dix Carnot ディス・カルノ」へ行きました。

エスカルゴや、野菜のポタージュ、多種類のキッシュ(サラダ付き)があり、気軽に食べられます。

因みにここは本業はお菓子屋さん。MOFの資格を持つ腕の良い職人さんが作っているという噂。デザートも沢山種類があります。

もうすぐイースターなので、店頭には卵や鶏の形の沢山のチョコレートが飾られていました。


2軒目のドメーヌはグロ・フレール・エ・スール。

いつものようにコレットさん(グロ家直属のお嬢様(現在はおばあちゃん)で、畑を相続。現在は甥のベルナールさんがドメーヌを経営)が応対してくれました。

※グロ家の家系についてはミシェル・グロさんのホームページに詳しく載っています。

このドメーヌのお屋敷は、ロマネ=サンヴィヴァンの畑に隣接しています。

つまり、グランクリュの下層土の母岩とまったく同じ地質が見れるカーブの中での試飲。2009年の水平で、オート・コート・ド・ニュイ、ヴォーヌ=ロマネ、クロ・ヴージョ、エシェゾー、グラン・エシェゾー、夢のリシュブールまで。

その後オート・コートの白の2008年と2009年を試飲。


「9で終わる年は、ブルゴーニュでは偉大な年ばかりなのよ。」

とコレットさん。

「39年だけは例外だけどね。寒い年で収穫も一ヶ月遅れ。10月末にやっと収穫を終えるころには雪が降り始めたほど寒かったの。」

さすがによく覚えていらっしゃいます。


数年前に古いカーブを改装して作ったというおしゃれで快適なスペースにはベルナールさんの趣味であるグランドピアノが置いてあります。



グロさんのお屋敷から2〜3分あるけば、かの有名なロマネコンティ。

2011年の芽吹きを写真に収めました。



せっかくなので、テイスティングしたばかりのグランクリュ畑を観光しながら

クロ・ヴージョへ移動。お城の中のお土産屋をちょっと覗いて、3軒目のドメーヌへ。

ジル・ジャイエさんです。

台湾からいらしたレストラン経営者兼インポーターの方のグループと一緒にテイスティング。オート・コート・ド・ニュイの2008年と2009年を比較試飲した後、来週から瓶詰めを始めるというまさに熟成最終段階の2009年のワインを樽出しで試飲。オート・コートから、グランクリュ・エシェゾーまで。

最後に2007年のエシェゾー。これは今日特別、でした。タンニンが熟れてきていい感じになりつつあるとのコメント。これから数年いい感じで熟成していくでしょう。



ジャイエさんは、赤に関しては地方名でさえ新樽100パーセントで熟成させます。

「ワインの成分が充実しているので、新樽と相性が良いんだ。」

エシェゾーで平均樹齢55歳。彼のワインは飲めばすぐそれ分かるほど力強い、個性の光るワイン。

パカレさんはブドウを房ごと使って醸造するけど優しいワインに仕上がっていて、ジャイエさんはブドウの粒だけをタンクに入れて醸造するけど力強いワインに仕上がっている。ジャイエさんの場合、新樽100パーセントなので、梗を使うとタンニンが強すぎてバランスが崩れてしまうんだそうです。それぞれ造り手の配慮があるのですね。


微笑んだ顔を撮りたかったのですが、今日もやっぱり無理でした。たぶんシャイなんだと思います。

彼はどちらかというと無口ですが、会話の中では優しさを感じる人です。

「被災地の方々を助けるために日本の取引インポーターがオークションを開催するそうです。僕はエシェゾーのマグナムを何本か寄付しました」

と言っていました。


その後、夕方のコルトンの丘をドライブしてボーヌの町に帰りました。

写真はルイ・ラトゥールの畑からボーヌの町を眺める景色です。


重要!


文中のドメーヌは、日本で実際に愛飲されている方のみ、お客様として訪問を受け付けています。

コンタクトをとるには、ドメーヌ側にこれだけの時間と労力、ワインの消費をお願いするに相応しい具体的な訪問理由が必要です。(自己紹介、普段ここのワインをどれくらい飲んでいるのか等。。)

ブログを読んでという理由での訪問は受け入れられませんのでご了承ください。



 ドメーヌ手配&訪問にご興味のある方からのコンタクトお待ちしています。

ブルゴーニュ・レザンドール 
http://www.geocities.jp/yuko_raisindor/
Email : yuko.raisindor@yahoo.fr